
コーヒーを飲んだら貧血になるって聞いたんだけど本当かな?

結論をいうと「コーヒーを飲んだら貧血になる」っていうのは間違いマメ。
コーヒーには鉄分の吸収を妨げる成分が入っているから貧血になるって思っちゃったのかも。
コーヒーに含まれる“クロロゲン酸”が鉄分の吸収を阻害する
お茶類に含まれるポリフェノール化合物のタンニン酸やクロロゲン酸は、鉄と結合して吸収を阻害する。食物繊維も吸収を阻害する。『食生活と栄養の百科事典』p516

コーヒーを飲むと鉄分を体に取り込みにくくなるんですね。ポリフェノールはカフェインレスコーヒーにも入っているから要注意。
貧血気味の人や妊婦さん、授乳中のママは鉄分不足に悩んで鉄分の多いものを食べたりサプリメントで補っている方もいるのではないでしょうか。せっかく鉄分を摂取したら無駄なく体に取り込みたいですよね。鉄分の吸収を邪魔する成分は他にもありますよ。
鉄分の吸収を阻害する成分
タンニン、クロロゲン酸の他にも食物繊維、シュウ酸、フィチン酸、カルシウムなど。
タンニン
- 紅茶、緑茶、玉露、煎茶、ウーロン茶など
クロロゲン酸
- コーヒー
食物繊維
- おから、大豆、穀物の外皮、海藻類など
シュウ酸
- ほうれん草、たけのこ、さつまいも、レタス、ブロッコリー、なす、ピーナッツ、未熟なバナナ、チョコ、コーヒー、紅茶、緑茶、ココアなど(ほうれん草、たけのこなどは茹でるとシュウ酸が減少します)
フィチン酸
- 穀物の外皮、玄米など
カルシウム
- 小松菜、モロヘイヤ、いりごまなどの野菜類
- わかさぎ、干しエビ、いわしの油漬け缶詰などの魚介類
- 焼き豆腐、生揚げ、がんもどきなどの大豆食品
- 牛乳、スキムミルク、アイスクリーム、チーズなどの乳製品

めっちゃあるやん!!
ただでさえ鉄分は吸収しづらい
鉄の吸収率は約15%と低いため、吸収率を上げるためには食べ合わせにも注意が必要です。特に非ヘム鉄は、肉や魚などタンパク質の多い食品や、野菜や果物などビタミンCの多い食品と組み合わせるようにしましょう。
アスレシピより
食事中にコーヒーや紅茶、緑茶などを一緒にとっていると食事で摂取した鉄分が十分に摂取できていないかもしれません。サプリメントを飲む時や食事の前後1時間ほどあけてからコーヒーやお茶を飲むようにしてくださいね。鉄分と一緒にとると吸収を助けてくれる成分は以下の通りです。

鉄分の吸収を助けてくれる成分の入っている食品を一緒にとるといいマメ
鉄分の吸収を助ける成分の入った食べ物
CPP(カゼインホスホペプチド)
- サプリメント
ビタミンC
- 赤ピーマン、黄ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、いちごなど
タンパク質
- 生ハム、鶏ささみ、ローストビーフなど肉類
- イワシ丸干し、いくら、焼きたらこなど魚介類
- 卵黄、ピータン、ゆで卵など卵類
- きな粉、油揚げ、納豆、がんもどきなど大豆製品
- パルメザンチーズ、脱脂粉乳、プロセスチーズなど乳製品

ちょっとまって。鉄分の吸収を阻害するカルシウムと鉄分の吸収を助けるタンパク質両方ある乳製品や大豆製品はどうやって食べれないいの…?

それならCPPの入ったサプリがおすすめマメ
CPP(カゼインホスホペプチド)は牛乳などに含まれている成分でカルシウムや鉄などといった、 ミネラルの吸収阻害酵素処理によって乳タンパクから分離精製された成分です。 カルシウムや鉄などのミネラルは、食物中の食物繊維やフィチン酸などと結合すると吸収されず、利用されにくくなります。 CPPは、カルシウムなどミネラルとあらかじめ結合していると、食物繊維などの成分がミネラルと結合するのを防ぎ、 体内へ吸収しやすくするので、結果的にミネラルの吸収を促進します。
鉄分が吸収されやすい食品
鉄分は吸収されにくい非ヘム鉄と吸収されやすいヘム鉄があります。動物性の鉄分の方が体に吸収されやすいのでおすすめです。
非ヘム鉄(植物性食品は吸収されにくい)
- 米、ほうれん草、小麦、大豆
ヘム鉄(動物性食品は吸収されやすい)
- 牛レバー、いわし、ヘモグロビン、牛肉、煮干し、豚レバー、しじみ、ビーフジャーキー、赤貝、ほっき貝、あさり、ホタテ、牡蠣
食べ過ぎには注意
通常の食事で鉄分を取りすぎるということはありませんが、サプリメントや特に鉄分の多いとされる食品を一度に食べすぎると便秘や吐き気、嘔吐といった悪影響がでることもあります。18歳以上の鉄の1日あたりの上限量は男性50mg、女性40mg(妊娠中、授乳中も上限量は一緒)です。
どのくらいで食べすぎになる?
食品データベースによると豚レバー(生)の100gあたりの鉄の量は13.0mg。成人女性だと豚レバーを1日で約300g食べると上限を超えるということになりますね。サプリメントを飲んでいる人やお肉が好きな人は食べる量には気をつけましょう。

レバーはビタミンAも豊富。ビタミンAのとりすぎも中毒症状を起こすから
注意が必要マメ
まとめ
コーヒーを飲むことによって貧血になることはありません!しかし食事中やサプリメント、薬と一緒にコーヒーやお茶、牛乳で飲むと鉄分を十分に摂取できなくなります。コーヒーやお茶は食事前後1時間あけて飲むようにしましょう。
妊娠中のママは妊婦健診で鉄のお薬が処方されることもあるので自己判断でサプリメントをとるのはやめましょう。

産婦人科の先生の指示を守ってくださいね。
参考サイト
- レファレンス協同データベース
- コーヒー大辞典(味の素)
- 飲料とお薬の相互作用
- お茶やコーヒーは鉄分の吸収を妨げる?健康系サプリメントのNG摂取法【管理栄養士監修】
- 焙煎を考える(Cafe Goju)
- コーヒーの基礎知識(全国コーヒー協会)
- 鉄分を効率よく摂ろう(e健康ショップ)
- 食と健康Lab(太陽化学株式会社)
- コーヒーを飲みすぎると鉄分不足になって貧血になるってマジ?(TALLORED ACFE)
- コーヒーによる貧血を改善する飲み方・予防法(coffeemecca)
- 食べ合わせに気をつけたい鉄、タンニンやシュウ酸は吸収を抑制(アスレシピ)
- 栄養素の説明 – ミネラル(オーソモレキュラー栄養医学研究所)
- 鉄分が多く含まれる食べ物と効果的な摂り方は?貧血気味の方必見!(Medi Palette)
- 食品成分データベース(文部科学省)
- 尿路結石症の食事
- 食品別カルシウム一覧(Re-Bone.jp)
- ヘム鉄&銅+CPP Q&A(株式会社ニューレックス)
- ビタミンCの働きと摂取目安量、多く含む食品を紹介(MORINAGA)
- タンパク質が多い食品を紹介。高タンパク食品を手軽に摂取!(MORINAGA)
- 食べ過ぎ厳禁!栄養豊富なレバーの過剰摂取は頭痛の原因に?(macaroni)
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